こんにちは。
メジャーサポートサービス浜松事業所で在宅勤務をしている車いすユーザーのYです。
最近、「障害者等用駐車スペースの不適切利用」を防ぐための新しいデジタル認証技術が全国で実証導入され、ニュースとして大きく注目されています。
これは単なる「駐車場の便利」ではなく、
「必要な人が確実に使える社会」を実現するための、本質的なバリアフリー改革。
私自身、車いす生活の中で「駐車場が使えるかどうか」は外出のしやすさを左右する最初のハードルです。
だからこそ、今回の技術が実用化され始めていることは、大きな一歩だと感じています。
この記事では、
- 新技術で何が変わるのか
- 導入され始めている実際のシステムとは?
- 障害者用駐車スペースの基本ルール
- 車いすユーザー目線でのメリット
を、分かりやすくまとめてお伝えします。
🅿 まず知ってほしい「障がい者用駐車スペース」とは?
障害者用駐車スペースは、「車いす用駐車場」とも呼ばれており、一般の駐車枠と大きく違います。
障害者駐車スペースに車いすのシンボルマークが書かれており、両側のスペースが空いたものや、片側だけスペースの空いた駐車場もあります。
(障害者用駐車スペース 写真:photoAC)

🚗 一般駐車場との違い
① 区画が広い
車いすでの乗り降りには、
- ドアを大きく開ける
- スロープを展開する
といった動作が必要なため、横幅が広く設計されています。
② 出入口に近い場所にある
長距離移動が難しい人のため、
建物の入口やエレベーターに近い場所に配置されます。
③ 分かりやすい表示
車いすマークや青色塗装などで、
「誰のための駐車場か」が明確に示されています。
■ 設置の目的
障害者用スペースは「優先的にちょっと便利に使える場所」ではなく、
そこに停めないと移動ができない人がいるために設けられています。
■ 実際に利用する人の例
- 車いす使用者
- 下肢や体幹に障害のある人
- 人工関節・義足の人
- 重い装具を使う人
- 呼吸器疾患などで歩行に制限がある人
自治体によって上記の方以外にも利用できる場合があります。
- 妊娠後期
- 高齢者
- お子様連れetc
こうしたスペースは、障がいのある人が「フツーに」外出するための社会的インフラと言えます。
しかし現状は…
❌ 一般車の無断駐車
❌ 「少しだけ」の短時間停車
❌ 施設側も注意しにくい
❌ 本当に必要な人が使えない
などの問題が全国で繰り返されています。
だからこそ、仕組みで不適正利用を防ぐ技術が求められているのです。
🔧2025年、何が変わる?不正利用を防ぐ「認証システム」が本格化
不正利用の大きな原因は、
対象者・非対象者の見分けがつかないこと にあります。
そこで登場したのが「デジタル認証」を使った仕組みです。
◎ ミライロID × 駐車場システム(VEEMO Welfare)
- 駐車スペースに停めると QRコードを読み取る
- ミライロID(デジタル障害者手帳)で本人確認
- 登録者のみ利用可能
- 利用履歴が残るため、不正利用の抑止になる
実際、2025年は空港・商業施設を中心に導入が拡大しています。
ミライロIDについてはこちらの記事をお読みください。
👉障害者手帳が スマホで使える!ミライロIDの登録方法・対応施設・メリット【2025年最新版】
空港・商業施設での導入!実際にどんな変化が?
✈ 成田空港での本格導入
- 障がい者用駐車スペースを 事前予約
- 予約枠が確保され、焦らなくていい
- QR認証で不正駐車ゼロへ
旅行に行くとき駐車できるかで胃が痛くなるあの不安。
それ、いらなくなります。
成田空港の障がい者用駐車スペースについてはこちらをご覧ください。
👉VEEMO Welfare 成田国際空港特設サイト
注意:VEEMO Welfare 成田国際空港のご予約には、障害者手帳アプリ「ミライロID」の登録が必要です。※手帳情報の審査・登録完了には、3営業日程度を要します。
「ミライロID」についてはこちらの記事もあわせてお読みください。
👉障害者手帳がスマホで使える!ミライロIDの登録方法・対応施設・メリット【2025年最新版】

🛍 商業施設・公園でも増加
- ミライロIDで駐車料金自動割引
- 混雑時でもほんとうに必要な人が使える
- トラブル対応の時間が減り、施設側もメリット大
「設備だけ立派で運用が追いついてない」状態から、
守れるバリアフリーへ進化しています。
🧑🦽 この技術が実現すると生活はこう変わる
① 必要な人が確実に停められる
「空いてるかな…」「今日も埋まってるかも」という不安から解放。
② 店舗スタッフの負担が減る
声かけしづらい → 技術で解決。
③ 外出しやすくなる
駐車場は生活の入り口。
ここが変わると外出の自由が大きく広がる。
④ 高齢者・妊婦さんへの応用も可能
今後は対象者を広げた多用途アクセスへ発展する可能性も。

👀 車いすユーザーとして感じるメリット
- 出入口近くのスペースがきちんと空いている状態が増える
- 外出計画が立てやすくなる
- トラブル・声かけのストレスが減る
- 施設利用がしやすくなり、外出自体が楽しくなる
特に「声をかける・説明する」ストレスが減るのは本当に大きいです。
🌏「駐車場から始まるバリアフリー」が実現する未来
これらの技術は、単に不正利用を防ぐためだけではありません。
◎ 得られるメリット
- 出入口近くのスペースがきちんと空いている状態が増える
- 外出計画が立てやすくなる
- トラブル・声かけのストレスが減る
- 施設利用がしやすくなり、外出自体が楽しくなる
「駐車場からバリアフリーを変える」という動きは、
日常生活全体に大きな変化をもたらす可能性があります。
🅿️ 課題もまだある
技術は素晴らしいですが、ユーザーとしてはこんな課題も感じます。
- 導入している施設がまだ限られている
- QRコード操作が苦手な人への配慮が必要
- ミライロID以外の認証方法との連携
- 緊急時や通信障害時はどうする?
とはいえ、方向性としては間違いなく前進です。
🅿️ まとめ:「駐車できるか不安」な時代からの脱却へ
車いすを使う私にとって、外出の最初の壁はいつも「駐車場が使えるかどうか」。
2025年、デジタル認証の導入によってその不安が少しずつ“仕組みで解決できる”時代に変わりつつあります。
- 不正利用が減る
- 本当に必要な人が確実に使える
- 施設側の負担も減り、安心して運営できる
- 外出のハードルが下がり、社会参加がしやすくなる
これは駐車場だけの問題ではありません。
「生活の自由を取り戻すためのバリアフリー革命」です。
今後、さらに普及が進むことを期待しています。
🔗 関連記事リンク(参考・引用用)
- 「障害者等用駐車スペース」の適正利用を実現!デジタル障害者手帳ミライロID と駐車場検索アプリVEEMO の連携がもたらす効果 — VEEMO公式リリース (mirairo.co.jp)
- 空港で初導入:成田国際空港 における「VEEMO Welfare」の実運用開始レポート — 駐車場の予約と不正利用防止のしくみ (mirairo.co.jp)
- 「VEEMO Welfare」導入で見える、“障害者等用駐車スペースの不適正利用”への対応の現状と課題 — ニュース記事での紹介 (乗りものニュース)
- ミライロID対応の駐車場、全国で拡大中 — QRコードによる割引・認証システムの普及状況(2025年9月時点) (mirairo.co.jp)
- 公園駐車場でのデジタル障害者手帳活用例 — 駐車料金割引と使いやすさの向上を目指す取り組み (times24.co.jp)
- VEEMO Welfare 成田国際空港



