「東京や京都はホテル代が高すぎて、もう旅行は無理かも…」
そんな声を最近よく耳にします。訪日観光客の増加で、都市部の宿泊費はどんどん上がっています。
でも、障がいのある方にとっての旅行は、心のリフレッシュや社会とのつながりになる大切な時間です。
今回は、そんな中でも安心して泊まれる、バリアフリー対応ホテルの見つけ方をご紹介。
おすすめの予約サイト、予算をおさえる宿の予約方法やホテルチェーンもあわせてご紹介します。参考にしてみてください。

🏨なぜ今、東京と京都のホテルが高いの?
インバウンドの急増が原因
最近、東京や京都のホテル料金が高くなっている大きな理由は、インバウンド(外国人観光客)の増加です。
その中でも、東京と京都は特に人気が高く、多くの旅行者が訪れているため、ホテルの需要が増え、宿泊費も上がっているのです。
観光庁によると、2024年には3,300万人以上が日本を訪れ、円安の影響もあり、海外からの宿泊予約が急増しています。
参考:🔗 国土交通省・観光庁公式
観光客が戻ってきた理由
円安の影響に加え、日本は「安全で清潔」「おもてなしが丁寧」といった点で、世界から高く評価されています。
コロナが落ち着いた2023年以降、こうした魅力を求めて来日する外国人観光客が増え、日本国内でも、旅行を楽しむ日本人が戻ってきました。
その結果、観光業は大きく回復しています。
観光都市の宿不足
急激な旅行者の増加で、観光地ではホテルの数が足りなくなり、そのため宿泊料金がぐんと上がっています。これにより、予約が難しくなるだけでなく、特に予算が限られているアルバイトの人や障がいのある方には大きな負担となっています。宿泊施設の不足が、多くの人に影響を与えています。

🧑🦽障がい者にとっての“予約の壁”
バリアフリールームが少ない(競争率が高い)
バリアフリールームは、まだまだ数が少なく、すぐに埋まってしまいがちです。旅行の予定を立てても、泊まれる部屋が見つからないこともあります。早めに動いても、他の人との予約の“競争”に負けてしまうことが少なくありません。
予約サイトでの情報不足(アクセシビリティ情報が曖昧)
多くの予約サイトでは、バリアフリー対応についての情報が不十分です。段差があるのか、車いすで入れるトイレがあるのかなど、知りたい情報が見つかりにくいのが現状です。事前にホテルへ電話で確認しなければならないことも多く、手間がかかります。
料金が上がると、「選べる範囲」がさらに狭まる
宿泊費が高くなると、もともと選択肢が少ない中で、さらに選べる宿が限られてしまいます。予算に余裕がない方にとっては、行きたい場所をあきらめる理由にもなりかねません。安心して泊まれる場所を、もっと気軽に選べる環境が求められています。

👩🦼バリアフリーに配慮したホテルを選ぶコツ
障がいのある方が安心して泊まれるホテルを選ぶためのポイント
旅行を安心して楽しむためには、事前にホテルの設備や対応をチェックしておくことが大切です。以下のポイントを参考にしてみてください。

<💡体に不自由がある方のホテル選びのポイント>
・エレベーターがあるかどうか:移動のしやすさに関わる大切なポイントです。
・バリアフリー対応の部屋があるか:車いすを使う場合は、対応したお部屋があるかを確認しましょう。
・ユニバーサルルームの写真が見られるか:実際の写真があると、お部屋の様子がわかって安心です。
・駅やバス停からのアクセス:交通の便も、移動の負担を減らすうえで重要です。ホテルの最寄り駅のバリアフリー情報も確認しておきましょう(※)。
・トイレやお風呂の設備:手すりの有無や段差など、使いやすさを確認しましょう。
※こちらについては次項の「<ポイント>移動しやすい旅のために ~駅や路線の選び方~」も併せて参考にしてみてください。
<ポイント>移動しやすい旅のために ~駅や路線の選び方~🚃
これは私の体験をもとにした話ですが、バリアフリーの設備が整っている都市としては、東京がもっとも進んでいると感じます。特に新しい駅ほど使いやすく、たとえば新幹線の駅では、東京駅よりも品川駅の方がバリアフリー面で優れている印象です。
一方、地下鉄やモノレールは構造上どうしても移動が大変になりがちです。ホームの形や段差の問題に加え、反対方向の電車に乗り換えるだけでも、段差や移動距離が多く、負担になることもあります。
また、地図やアプリでは簡単に見える乗り換えでも、実際にはかなり歩かされる駅もあります。
例としては:
- 東京駅(京葉線の乗り換え)
- 東京・永田町駅/赤坂見附駅(乗り換え通路が長い。2駅が同じ乗り換え駅として扱われる)
- 京都・烏丸御池駅(階段や通路が多い) など

こういったことから、地下鉄はなるべく避けて、地上を走る路線やバスを利用する方が安心です。
また、ホテル選びの際も、地上路線やバス停にアクセスしやすい場所を選ぶと、移動がずっと楽になります。
ユニバーサルデザインを採用したホテルチェーンを探す
ユニバーサルデザインとは、「誰でも使いやすいように最初から設計されたデザイン」のこと。車椅子利用者、高齢者、小さなお子さん連れなど、すべての人に優しい設計です。
そんなユニバーサルデザインに配慮したホテルチェーンをいくつかご紹介します。少し料金が高めのところもありますが、より快適に安心してご旅行いただけると思います。
障害のある方におすすめのホテルチェーン🧑🦽
- ルートインホテルズ
- ユニバーサルデザインを積極的に導入(バリアフリールームのトイレ、バスルーム入口のドアはスライド式など。)
- バリアフリー対応のエレベーター、多目的室あり。
- バリアフリールームに宿泊の障がい者手帳所持の方に割引適用。
🔗公式サイト :ルートインホテルズ
🔗ルートインホテルズのバリアフリールーム
- 三井ガーデンホテルズ
- 多くの施設でユニバーサルルームを設置
- バリアフリー対応のトイレ・浴室・エレベーターあり。
🔗公式サイト :Mitsui Garden Hotels
🔗公式YouTubeチャンネル :【公式】三井ガーデンホテルズ/Mitsui Garden Hotels
- ホテルメッツ(JR東日本ホテルメッツ)
- JR駅直結・隣接のホテルが多く、アクセスが非常に良い
- 全体的に新しい建物が多く、ユニバーサル対応が標準化されつつある
- 多目的トイレや広めの客室もあり
🔗公式サイト :JR東日本ホテルメッツ
- ドーミーイン
- 新しい施設では段差の少ないバリアフリー設計が進んでいる
- 一部にユニバーサルルームや多目的トイレを用意
- 夜鳴きそばや、湯上がりアイス・湯上がり乳酸菌飲料サービスなどの無料サービスが充実
🔗公式サイト: Dormy hotels &Resorts

直接ホテルに連絡して確認しておくと安心☎️

車いすの方や足の不自由な方にとっては、トイレやお風呂などの設備、部屋の動線、荷物の事前配送が可能かどうかなど、事前に詳しく知っておきたいことが多くあります。安心して滞在するためにも、宿泊先に一度電話で確認しておくと、トラブルを防ぎやすくなります。
宿選びはリアルな声で安心チェック
「◯◯ホテル バリアフリー」などでYouTubeやSNSを検索すると、足の不自由な方による実体験の口コミが見つかることがあります。設備の使いやすさやスタッフの対応など、実際の様子がわかるのでとても参考になります。星での評価の場合、目安としては、10点満点なら7.8以上、5点満点なら3.8以上なら安心です。ぜひチェックしてみてください。
🖥️障がいのある方のためのホテル予約サイトの使い方
最近では大手の旅行予約サイトでも「バリアフリー」「車椅子対応」などで絞り込みが可能になってきました。
例として、以下にパソコンからの「楽天トラベル」での予約方法をご案内します。よろしければ試してみてください!
「楽天トラベル」でバリアフリー宿を探す方法
1. 楽天トラベルの公式サイトにアクセス
・URL: https://travel.rakuten.co.jp/
2. 宿泊したいエリア・日付などを入力して検索
・トップページで「チェックイン・チェックアウト」「部屋数」「人数」「地域」などを入力して[検索]をクリックし、さらに地域名もしくは最寄り駅を選択して、宿泊施設の検索を行います。
3. 絞り込み検索を使う。
・検索結果されたページの右上にある[絞り込み]をクリックし、下にスクロールすると 「バリアフリー」 に関するチェックボックスがあります。
4. バリアフリーの項目の該当する項目にチェックを入れる
・その他にも条件がある場合は、該当の項目にチェックを入れ[絞り込む]をクリック。
5. 条件に合った宿泊施設から選ぶ
・条件に合う施設が一覧で表示されるので、写真やクチコミ、詳細情報を確認しながら選びましょう。
6. 宿泊予約を完了させる
・宿を選んだら、プランを選択して予約に進みます。
・予約時に「備考欄」や「リクエスト欄」がある場合は、車椅子利用や介助が必要なことなどを記入しておくと安心です。
※パソコンではこのような表示となります。

<💡 補足ポイント>
バリアフリー対応の内容は宿によって異なります。気になる点(例:段差、浴室、トイレなど)は 直接宿に確認するのがおすすめ です。特に高齢者や車椅子の場合は、電話での事前確認がより確実◎。
その他 バリアフリーのホテルを探せる予約サイト
- 🔗Booking.comでは「絞り検索」の項目で、の絞り込み条件を全て開くと、手すり付きトイレや低い洗面台など、かなり詳細にバリアフリー設備を選択して検索することができます。
- 🔗agodaでは、「▼設備・サービス」の項目で、[バリアフリー設備]にチェックを入れて検索できます。

【番外編】アビリティーズ・ケアネット:障がい者向け情報の宝庫
アビリティーズ・ケアネットは、障がい者や高齢者向けのバリアフリー情報を発信する老舗サイトです。車いす利用者が安心して踏み出せる日帰り旅行から、宿泊旅行なども企画されています。
💰コストを抑えるホテル予約の工夫
宿泊場所を変えてみる
・東京の場合🗼
主に、東海道新幹線へのアクセスが良い東京駅や品川駅周辺、山手線内とその西側、特に新宿・渋谷、港区のホテルは高騰しています。東京駅へのアクセスを考える場合は、山手線で1本の池袋方面や、京浜東北線、中央線沿線(中野以西)であれば。そのほか山手線より外側にあるホテル(浅草を除いた、特に北側)は値段が少し下がります。
<ホテルの値段が高騰している地域・東京の場合>
| 地域・条件 | 理由 |
|---|---|
| 東京駅・品川駅周辺 | アクセス至便で観光拠点となるため需要が非常に高い。 |
| 新宿・渋谷、港区 | 夜も賑わいがあり、交通利便性が良いため人気。 |
| 浅草 | 海外の人に人気の観光地のため、高騰傾向。 |
| お台場から新木場周辺 | ディズニーリゾートと都内の両方にアクセスがいいため人気。 |

・京都の場合⛩️
主に、京都駅周辺や観光地に近い東山・祇園エリア、また四条烏丸・河原町など繁華街に近いホテルは高騰しています。新幹線アクセスを考えると、京都駅周辺が便利ですが、バスでの移動を前提とするなら、少し離れた場所のホテルでも選択肢になります。観光地へのアクセスに時間がかかる郊外のエリア(太秦・山科・伏見など)は比較的安く宿泊可能です。
<ホテルの値段が高騰している地域・京都の場合>
| 地域・条件 | 理由 |
|---|---|
| 京都駅周辺 | 新幹線利用者の玄関口で、他エリアへのアクセスも良好なため人気。 |
| 祇園・東山 | 清水寺や八坂神社など主要観光地に近く、街並みも風情があるため外国人観光客に人気。 |
| 四条烏丸・河原町 | 繁華街・飲食店・ショッピングに便利で、観光と夜の楽しみの両立が可能なため需要が高い。 |
| 嵐山周辺 | 季節によって(特に秋)混雑し、景観を楽しむ観光客が集中するため値段が高くなる傾向。 |

旅の移動にバスを取り入れてみよう🚌
意外と見落としがちなのが、「バス路線を使う」という旅行スタイル。東京や京都に着いてからの市内の移動を、バス路線を起点に考えると、ホテルの選択肢が広がります。
バスなら、タクシーより費用を抑えられ、電車より目的地の近くまで行けることもあります。最近は低床バスも増え、車いすの方にもやさしい設計です。
また、バスの障がい者割引では、東京では、都営バス・民間バス両方で半額で乗車可能。京都でも、京都市営バスと京都の民営バスいずれも半額で乗車できます。(※介護者1名まで半額適用)
電車ほど時間は正確ではありませんが、ゆとりを持てば快適に移動できます。都市観光の新しい選択肢として、バスの活用も検討してみては?
<バス路線も検索できるおすすめアプリ>
- 🔗駅すぱあと:全国のバス路線をカバー。鉄道・バスの経路検索で、最もよく使われています。
- 🔗バスNAVITIME:バス専用ナビとして、バス停の接近情報、時刻表、ルート検索機能あり。よく使うバス停の登録可能。
平日や繁忙期以外を狙う
東京や京都のホテルは、特に土日や繁忙期は料金が高くなりがちです。
でも、平日やオフシーズンを選べば、手頃な価格で泊まれることもあります。観光地も混雑が少なく、移動や観光もしやすくなるのがうれしいところ。
バリアフリー対応のホテルも、予約が取りやすくなるかもしれません。少し日程をずらすだけで、ゆったりとした旅が楽しめますよ。
「楽天スーパーセール」で最大50%割引の場合も!
ホテル代が高くても、「早割」や「平日割引」を使えば、かなりお得に泊まれることがあります。
楽天トラベルやじゃらんでは、定期的にクーポンが配布されていて、タイミング次第で最大50%オフになることも。
特に「楽天スーパーセール」などの大型キャンペーン時は狙い目。メルマガに登録しておけば、クーポン情報もいち早くキャッチできます。
<💡 楽天スーパーセールでの予約のコツ>
・セールが始まる前に泊まりたいホテルを探しておく。
・セールが始まる前にエントリーを済ませておく。
・クーポンは前もって確保しておく。
・セール開始前に楽天トラベルにログインしておき、開始直後に予約を確定させる。
・楽天トラベルの中を回遊して、複数予約する人が多い=キャンセルで解放されることが多いので、すぐに売り切れた場合は、セール後のキャンセルを待ってみる。
少しの工夫で、宿泊費がぐっと抑えられるかもしれません。

【まとめ】安心して出かけるために 〜旅に不安を感じるあなたへ〜
外出は楽しいはずなのに、障害があると旅が不安になったりして、つい家にこもりがちです。外出先でも人に手を貸してもらうことが多く、謝ってばかりで気疲れしてしまい、「家でひとりの方が楽」と感じることもあります。
でも、人は誰かとつながって生きています。障害のある方にとっては、支えやつながりが暮らしの大切な力です。
人と「たまには出かけてみよう」と思っても、バリアフリーのホテルが少なく、料金も高くて気軽には難しいですよね。
だからこそ、今回の情報が、少しでもあなたのお出かけの助けになればうれしいです。
いつも頑張っているあなたの「旅」という特別な時間が、より楽しい時間になりますように。

