【障害年金とは?】障害基礎年金と障害厚生年金の違いや申請時の注意点をわかりやすく解説!

【障害年金とは?】障害基礎年金と障害厚生年金の違いや申請時の注意点をわかりやすく解説! 制度について

病気やけがによって、日常生活や仕事に支障が出た場合に支給される公的年金制度が「障害年金」です。

障害年金という言葉を聞いたことがあっても、障害基礎年金障害厚生年金の2種類があることは、意外と知られておらず、その種類によって、支給額などにも大きな違いがあります。

ここでは、それぞれの特徴や違い、申請時の注意点について説明します。申請時の参考にしていただければ幸いです。

🧑‍🦽‍➡️障害年金を考えたら、まず知っておきたいこと

<申請しなければ受け取れない>
けがや病気で働くことが難しくなっても、障がい者手帳が発行されたとしても、障害年金は 自動的に支給されるものではなく、申請が必要 です。

<働いていても受け取れる>
働いているからといって、必ずしも受け取れないわけではありません。
「受け取れるのかな?」と思ったら、まずは自治体の年金課や、最寄りの年金事務所に相談するのがおすすめです。申請の方法を聞いたり、申請用紙も受け取れます。

<「障害基礎年金」と「障害厚生年金」がある>
障害年金は、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があり、基本的には、厚生年金を支払っていることから、障害厚生年金の方が支給が手厚い傾向があります。

障がい者手帳を持っていない=「障害年金の申請は通らない」ということではない

障害年金を受給している人は、障がい者手帳も発行されている人が多いですが、障害年金の等級(1級、2級、3級)と、障がい者手帳の等級は全く基準が異なり、窓口も違うため、障がい者手帳を持っていなくとも、障害年金を受給している人たくさんいます。

逆に、障がい者手帳が発行されていても、障害の状態によって障害年金の申請が通らない、支給されないこともたくさんあります。

申請書の提出先ってどこ?

申請書の提出先は、国民年金の加入者か、厚生年金加入者かなどで変わります。また、先述の通り、障害年金を受け取りたいとき、まずは窓口や社労士さんへの相談から始まります。

自分で申請する場合は、まずは最寄りの自治体の国民年金窓口、年金事務所、年金相談センターへ相談しましょう。相談した時に、その人に合った提出先に誘導されます。社労士さんへ相談された場合は、社労士さんが申請まですべて行ってくれます。

👩‍🏫障害基礎年金とは

障害基礎年金は、主には国民年金に加入していた人が対象です。提出した診断書や申請書をもとに、受給の可否や1級・2級の等級、支給額が決まります。

障害基礎年金を受け取るための条件

次の3つすべてにあてはまると、障害基礎年金を受け取ることができます。

① 病気やけがで初めて病院にかかった日(初診日)は、国民年金に加入していた。
  または、初診日が20歳前や、60~64歳で、年金に入っていなかった。

② 障害の状態が、障害認定日(※)または20歳時点で「1級または2級」の障害に当てはまる。

③ 病気やけがになる前まで、年金保険料をきちんと納めている(免除を含む)期間が、全体の3分の2以上あること。
 ※65歳未満で、直近1年間に未納がなければOKな場合もあります。
 ※20歳前に病気やけがをした場合は、この条件は不要です。

<☝️障害認定日とは>
障害年金の制度において、障害の重さを正式に判断するための日のこと。基本的には、病気やけがで初めて病院にかかった日から1年6か月たった日が、障害認定日になります。
ただし、1年6か月より前に症状がこれ以上よくならない状態(症状固定)になった場合は、その日が障害認定日です。詳しくはこちら👉:🔗日本年金機構「障害認定日」

障害基礎年金の等級

1級と2級があります。障がい者手帳の等級とは異なります。

  • 障害の程度1級
     日常生活のほとんどを自分で行うことが難しく、常に他の人の助けが必要な状態です。
     身のまわりの最低限のこと以外は難しく、入院や在宅介護が必要で、生活範囲がベッド周辺に限られる場合
  • 障害の程度2級
     他人の助けがなくても生活はできるものの、日常生活や仕事には大きな支障がある状態です。
     簡単な家事はできても無理はできず、入院中や在宅で生活範囲が家の中に限られる場合

日本年金機構:🔗障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額

👩‍🏫障害厚生年金とは

障害厚生年金は、主には、厚生年金に加入していた人が対象です。提出した診断書や申請書の内容をもとに、受給の可否や1~3級の等級、支給額が決まります。

障害厚生年金を受け取るための条件

次の3つすべてにあてはまると、障害厚生年金を受け取ることができます。

① 病気やけがで初めて病院にかかった日(初診日)は、厚生年金に加入していた。

② 障害の状態が、障害認定日に「1級~3級」の状態に当てはまる。

③ 初診日の前日までに、国民年金や厚生年金の加入期間や保険料免除期間を合わせて、原則3分の2以上あること。
 ※ただし、初診日が令和18年3月末までで、65歳未満の場合は、直近1年間に未納がなければよい。

障害厚生年金の等級

1級、2級、3級があります。障がい者手帳の等級とは異なります。

  • 障害の程度1級
     日常生活のほとんどを自分で行うことが難しく、常に他の人の助けが必要な状態です。
     身のまわりの最低限のこと以外は難しく、入院や在宅介護が必要で、生活範囲がベッド周辺に限られる場合
  • 障害の程度2級
     他人の助けがなくても生活はできるものの、日常生活や仕事には大きな支障がある状態です。
     簡単な家事はできても無理はできず、入院中や在宅で生活範囲が家の中に限られる場合
  • 障害の程度3級
     日常の生活にはほとんど支障がないものの、仕事上では制限が必要な状態です。

日本年金機構:🔗障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額

👩‍🦯障害基礎年金と障害厚生年金の分かれ目は「初診日」

障害年金は、条件を満たすと受け取ることができますが、「障害基礎年金」になるのか「障害厚生年金」になるのかは 初診日」 がポイントになります。

初診日とは、原因となった病気やケガで 初めて病院を受診した日 のこと。
この日に、どの年金制度に加入していたかで、受け取る年金の種類が決まります。

  • 年金未加入、または国民年金加入中 → 障害基礎年金
  • 厚生年金加入中 → 障害厚生年金

一般的に、等級が同じであれば、障害基礎年金より、障害厚生年金の方が支給額が多くなるため、どちらに該当するかはとても大切です。

なぜ、障害厚生年金の方が支給額が多くなるのか?☝️

上記の事から、おおむね20歳以降の病気やケガが原因で、初診日に厚生年金に加入していた(働いていた)場合、障害厚生年金に該当します。

障害基礎年金の支給額は、等級によって変わるだけで、全員一律定額ですが、障害厚生年金は定額ではなく、障害基礎年金+働いていた時の給与(標準報酬月額)や加入期間に基づいて算出された報酬比例部分が上乗せされるため、一般的に障害厚生年金の方が支給額が多くなります。

障害厚生年金「3級」の穴

なお、障害基礎年金は1級、2級しかありませんが障害厚生年金は3級まであります。

障害厚生年金の1級、2級は、障害基礎年金+働いていた時の給与(標準報酬月額)や加入期間に基づいて算出された報酬比例部分が上乗せとなりますが、障害厚生年金3級は、障害基礎年金の部分がなくなります。

🚨気を付けたいポイント

障害年金を【申請する間際の年金の支払い】に注意しよう

これは、20歳を迎えるにあたり申請する場合ではなく、年金を支払っている途中で障害年金を申請する時のポイントです。

障害基礎年金は、受給権が発生した月の前月分から、国民年金保険料支払いが「法定免除」となります。
そのため、すでに申請期間に保険料を支払ってしまうと、本来は支払わなくてよい保険料を納めてしまう可能性があります。あとから返還手続き(※)をすることもできますが、手間がかかります。
障害年金を申請予定の方は、申請前の1~2か月ほどは、いったん年金保険料の支払いを見合わせておくと安心です。

また、厚生年金に加入している方も、申請後に1級または2級と認定された場合は同様に法定免除の扱いとなります(※3級の場合は対象外)。
申請を予定している方は、年金の支払いを止めていることを相談窓口で伝え、指示を受けるようにしましょう。

<👉払いすぎた保険料の返還手続き>
払いすぎた保険料は自動では戻ってこず、また、申請時の窓口の方から、返還手続きできることも教えてもらえないことがほとんどです。返還手続きは、障害年金の受給が決定したら、🔗管轄の年金事務所に早めに相談しましょう。返還期限は原則2年となっています。

さかのぼって受け取れることがあります!😮

障害年金では、「障害認定日」がとても大切です。

20歳を過ぎていれば、いつでも障害年金を申請できますが、もし障害認定日に受給条件を満たしていた場合、申請が遅くなっても最大5年間さかのぼって受け取れることがあります。

支給は、原則として障害認定日の翌月から始まります。なお、障害認定日以降に20歳になった場合は、20歳になった翌月から支給されます。

さかのぼって受け取りたい場合は、その旨を、年金窓口の方に伝えましょう。

厚生年金を支払っていても、障害基礎年金になる場合もある😞

例として、幼い時期に、原因となる病気で医療機関を受診していても(初診日が20歳以前)、その後一般就労し、働いて厚生年金に加入していたとします。

ところが、20歳以降、働いていた時にその病気が悪化して障害年金の支給対象となった場合、原因となった病気の初診日が20歳以前であると、受給できるのは障害基礎年金のみとなることがあります。

このような状況となっている方は多く、病気があっても頑張って働き、高い保険料を納めてきたのにと、受け止めきれない思いが残ってしまうことも。現行の制度が、実際に不自由を抱えて生活している方々の実情に寄り添えているとは言い難く、制度の改善が求められます。

※将来、老齢年金を受給する年齢となった時、障害基礎年金の受給者は、基本的に老齢年金に自動的に切り替えになります。厚生年金を支払った期間があれば、老齢年金に切り替わった時に、受給額が増える可能性はあります。

「障害基礎年金」の書類作成は大変です😥

20歳前に初診日がある場合、障害基礎年金が対象になりますが、その場合の申請には、20年の間にかかった病院全てとやり取りし、病歴や受診記録をまとめる必要があり、申請はかなり大変です。

でも、その申請書類が等級や支給額を決める重要なものなので、丁寧に作ることが大切です。
不安な場合は、経験者や社会保険労務士(社労士)など専門家に相談すると安心です。

全国社会保険労務士会連合会:🔗社労士会リスト

書類作成時は、遠慮なく書くことが大事

障害年金の申請書類では、病気の発症のきっかけやこれまでの受診歴、症状、日常生活での困りごとなどを、できるだけ詳しく書くことが大切です。

書くときに遠慮はいりません。これまで経験してきた大変なことや、生活上の制約なども、思い出せる範囲でしっかり書きしましょう。
また、原因となっている病気だけでなく、あわせて残っている症状や別の病気についても、わかる範囲で書くことをおすすめします。

📨申請から審査結果が出るまでの期間と年金の振り込みついて

審査結果が出るまでの期間は、申請書類提出から通常3~4ヶ月程度となっています。

受給が決定した場合

日本年金機構から「年金証書」と「年金決定通知書」が自宅に郵送され、 年金証書が届いてから、おおむね50日程度で指定の金融口座に初回の年金が振り込まれます。

年金は原則として偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)の15日に、前月・前々月の2ヶ月分が振り込まれます。

「年金生活者支援給付金」が合わせて振り込まれる場合も

「年金生活者支援給付金」は、公的年金等の収入や所得が、一定基準額以下の人の生活を支援する給付金で、年金に上乗せして支給されます。老齢、障害、遺族の種別があり、それぞれ要件や金額が異なります。

支給が認められなかった場合

「不支給決定通知」が送られます。決定内容に納得できない場合は、通知を受け取った日の翌日から起算して3ヶ月以内に、社会保険審査官に対し「審査請求」(不服申し立て)を行うことができます。 

🦽【まとめ】障がいのある方は、申請の連続

何においてもそうかもしれませんが、支払いは簡単ですが、受給する場合は申請が大変です。

特に障がいのある方は、日常で申請の手続きが多く、体だけでなく、心も疲れてしまうことがあります。

私も障がいを抱え、たくさんの手続きを経験しましたが、特に障害年金の申請が一番大変でした。障害が重くなり、体がまだ慣れていない中で、多くの病院とのやり取りや書類作成に追われ、本当に苦労しました。

これから申請される方は、不安も大きいと思いますが、無理せず周りに頼ってください。経験者や社労士、年金事務所への相談もいいと思います。そして、申請を経験された方は、周囲で申請される方がいたら、できる範囲でサポートしてあげられるやさしい世の中だといいですね。


<関連記事> 精神障害福祉手帳をお持ちの方必見!

<参考記事>

・日本年金機構:🔗障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
・日本年金機構:🔗日本年金機構「障害認定日」
・日本年金機構:🔗障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額
・日本年金機構:🔗管轄の年金事務所
・全国社会保険労務士会連合会:🔗社労士会リスト