「生きててよかった」と心から思える瞬間って、どれくらいあるでしょうか?
毎日がしんどくて、頑張ってるのに報われなくて、誰にもわかってもらえない…そんな日々を何とか踏ん張っている人にこそ、聴いてほしいバンドがあります。
それが、愛知県名古屋市出身のロックバンド「フラワーカンパニーズ」。
結成から36年もの長い間、メンバーチェンジなし、活動休止なし。全国をハイエース(大型のワンボックスカー)1台で回り、ライブを届け続けるその姿勢は、多くの人の「生き方」そのものに寄り添ってきました。
そのフラワーカンパニーズの姿勢や音楽には、“弱さ”や“痛み”を真正面から描きながら、それでも前に進もうとする力強さや、まっすぐさがあります。
それは、障がいを持つ方が感じやすい不安や孤独に響き、その支えとなる大きな魅力を放っているのではないでしょうか。
この記事では、そんな彼らの魅力、そして名曲「深夜高速」の歌詞がなぜこれほどまでに多くの人の心を打つのか、じっくりと、そして誠に勝手ながら、ご紹介します。

🐔フラワーカンパニーズとは? 生きざまがロックなバンド
フラカンの最初の一歩から今まで👟
フラワーカンパニーズ(通称:フラカン)は、1989年に愛知県名古屋市で結成されたロックバンド。メンバーは以下の4人の天才で、結成から36年、一度もメンバーチェンジをしていません。一人一人の人生がかかっているバンド活動で、これだけの長きにわたってバンドメンバーが変わっていないバンドは本当に少なく、とても凄いことなのです。
- 鈴木圭介(ボーカル)🎤
- グレートマエカワ(ベース)🎸 衣装は”裸にオーバーオール”が定番。
- 竹安堅一(ギター)🎸 ギターは”Gibson SG”が定番。
- ミスター小西(ドラム)🥁 (敬称略)
高校時代の仲間で始まったバンド活動は、商業的な成功に左右されず、「自分たちの信じる音楽」を貫き続けてきました。2度のメジャー期間がありつつも、その活動は、ほぼ自分たちのチカラだけで歩み続け、曲とライブパフォーマンスの圧倒的な素晴らしさ、そして地道にライブ活動を続けるその姿勢もろとも共感を呼び、少しずつ支持を集めてきました。
ハイエースで全国行脚、その真意とは🚐
フラワーカンパニーズは、2000年頃からは大手のマネージメント会社に頼らず、自分たちの手でライブのブッキング(出演交渉)を行い、機材を積み込んだハイエース1台で、全国各地を年間おおよそ100本のライブを行うスタイルを続けています。
たとえ、ハイエースで東京から20時間以上かかる鹿児島でも、北海道にはハイエースごとフェリーに乗ってでも、「腰をやる年齢になって来た」と苦笑いしながら、彼らは音を届けに行きます。そのまっすぐな姿勢は、多くの人の心に響き、ときに日常がつらく感じられる人や、障がいを抱えている方の心にも、優しく力強く届いています。その胸を打つ音楽と、懸命に音楽を届けるフラカンの姿勢は、今日も誰かの心に寄り添い続けています。

🌆名曲「深夜高速」は、なぜ多くの人の心を震わせるのか?
「生きててよかった」に込められた想い
フラワーカンパニーズの「深夜高速」は、2004年に発表されて以来、多くの人の胸に残るフラワーカンパニーズを象徴する曲です。
サビで繰り返される「生きててよかった」という言葉には、思うようにいかない毎日の中でも、それでも生きててよかったと思える瞬間がきっとある。そう信じてまた歩いていく――そんな気持ちが込められているように感じます。このフレーズに涙した人も少なくありません。
孤独、しんどさを抱えながらも、「それでも諦めたくない」と願う人の背中を、そっと押してくれるような歌です。
「深夜高速」は、生きづらさを感じるときに、そっと希望の光をくれるような応援ソングです。
歌詞を読んでみよう!【Uta-Net】フラワーカンパニーズ「深夜高速」
「感情七号線」──もうひとつの名曲
「感情七号線」もまた、あきらめずに前を向こうとする気持ちが詰まった名曲です。
ただこの歌には、「ずっと頑張ってきたけど、本当にこれでよかったのか?」という迷いもにじみ、そのリアルさが心に響きます。
タイトルは、実際に東京にある、大田区から江戸川区までぐるりと走る「環状七号線」と、感情がぐるぐる巡る様子をかけたもの。うまくいかない日々や見えない出口、それでも夢をあきらめられない──そんな葛藤が見えてきます。
悔しさやつらさを抱えながらも、毎日を必死に生きる人のそばに、そっと寄り添ってくれるような一曲です。
歌詞を読んでみよう!【Uta-Net】フラワーカンパニーズ「感情七号線」

(写真:Canva)
🧑🦽フラカンの音楽が「障がい者の生きがい」になる理由
ありのままを肯定する歌詞
フラワーカンパニーズの曲の歌詩は、そのほとんどを、ボーカルの鈴木圭介さんが書いていますが、その鈴木さんが書く歌詞にはいつも、そのままの自分で、ありのままの自分で、それでも諦めずに進んでいくというような思いが感じられます。
社会の中で疎外感を感じやすい障がい者にとって、その言葉は自己肯定感を支え、心を軽くする力があります。「自分にも居場所がある」と感じさせてくれるその優しい言葉が、そっと背中をさすられるような気持ちになります。
諦めずに続ける強さが伝わる
フラワーカンパニーズの曲は、誰もがふと感じる、つらさや悩みにそっと寄り添います。障がいのある人が感じる不安やさみしさを、どこか「わかってくれる」ような気持ちになり、安心できるのです。その共感が、心のつながりや生きる力になります。
また、フラワーカンパニーズは、夢をあきらめそうになりながらも、「続ける」ことを選び続けてきました。だからこそ、夢を追うのが難しくなった自分の心にも響き、「自分もまた頑張ってみよう」と思わせてくれる音楽なのです。

(写真:Canva)
🐔フラワーカンパニーズの語り継ぎたくなる話
ミスター小西さん骨折!?それでも止まらなかったフラカンの音
結成から36年間活動休止なし。そこに突然訪れた危機。それは2010年9月初旬、ミスター小西さんが足の指を骨折して、ライブに出られない事態に。
それでもフラワーカンパニーズは止まりませんでした。クハラカズユキさん(The Birthday)とサンコンJr.さん(ウルフルズ)が急遽ドラムサポートで参加し、ツアーは予定通り決行。小西さんはリハビリを経て、12月には復帰し、復活ライブではサポートドラマー二人とミスター小西さんのトリプルドラムで会場を沸かせ、ミスター小西さんは最後まで涙こらえて演奏。そのライブは非常に感動的な時間となりました。
芸人さんにも届く歌〜「深夜高速」がつなぐ想い
フラワーカンパニーズの「深夜高速」は、お笑い芸人さんや俳優さん、ミュージシャンにも愛される名曲。現在も定期的に開催されている、芸人のみなさんのそれぞれの“忘れられない夜”を語るイベント「それぞれの深夜高速」は、ボーカルの鈴木圭介さんも特別審査員として参加し、芸人の皆さんの熱い思いを見守っています。
そしてTBSの朝の人気番組『ラヴィット!』では、令和ロマン・松井ケムリさんが「この曲を生で聴きたい」と熱望し、同番組内でフラワーカンパニーズが「深夜高速」を生披露。松井さんも「今の僕にめちゃくちゃしみました」と感動を語って話題になりました オリコン+1。
このように「深夜高速」は、ジャンルや立場をこえて、それぞれの人の想いに静かに寄り添い続けています。

(写真:Canva)
🎵背中を押されたいあなたへ、今すぐ聴いてほしいフラカンの曲3選
「深夜高速」、「感情七号線」のほかにも名曲だらけ!元気が出ないとき、そっと寄り添ってくれる、おすすめのフラカンの名曲、その他にも3曲、筆者の独断と偏見だらけで?!ご紹介します。
【おすすめ1】「東京タワー」🗼
都会の中で感じる孤独や葛藤が、東京タワーにたとえられて歌われています。現実は厳しくて、思ったようにいかなくても、体が弱くても、もう全然だめでも、それでも都会の真ん中で一人で立っている東京タワーを眺めながら、これからの自分にも希望を持っていたい。大きなエールがもらえる1曲です。
【おすすめ2】「ハイエース」🚐
ハイエースで全国を回ってきたからこその、リアルな心情の歌詞。年も重ねてきた自分たちは、どこまで続けるのか?それでもやり続けなければ逆転はない。そして、できなくなるまでやっていくという決意が泣かせます。
【おすすめ3】「はぐれ者賛歌」📣
思ったようにいかない毎日は燃えカスのように溜まるばかり。それでも行くしかない。それでも自分の歌を歌えと叫ぶこの曲は、うまくいかなくても、恥をかいても、それでも進むしかない。自分を信じてみようと、やってみようと思わせてくれる力強い一曲です。

(写真:Canva)
🐔【まとめ】フラワーカンパニーズがくれる小さな希望
フラワーカンパニーズの音楽は、いつも何も隠さず、カッコつけることもなく不器用で、そしてヒリヒリとしたありのままの気持ちを届けることで、聴く人のつらい気持ちもグッと持ち上げてくれます。
代表曲『深夜高速』の「生きててよかった」という言葉は、つまずきながらも歩き続ける人への温かなエールです。そして、メンバーが変わらず36年間活動を続けているその姿も、多くの人の励みになっています。
何事も、長くやり続けていくのは本当に難しい。だけど、ひたむきに続けていけばきっと「生きててよかった」と思える瞬間がある——そんなことを気づかせてくれる音楽です。
フラワーカンパニーズの音楽のように、日々のつらい気持ちをグッと持ち上げてくれる、背中を押してくれるなにかは、障がい者だけでなく、様々なつらさを抱えた人の大きな生きがいや支えとなることがあります。
これを読んでいるあなたにも「生きててよかった」と思える、そんな支えが、瞬間がありますように。
🐔フラワーカンパニーズOFFICIAL WEBSITE https://flowercompanyz.com/

(写真:Canva)