障がいがある方は、タクシーを利用する機会も多くなりますが、私もその一人です。
私がこの夏、小さな田舎町に用事があった時。夜20時頃、駅に着いたのに、タクシーが一台もいない。タクシー会社に何度電話をしても出ない。どうやら営業終了している。。。。
そのとき気づいたのが、「どこでも同じようにタクシーが利用できるとは限らない」ということ。
また、コロナ渦以降、利用したいときにタクシーが配車されないことも多くなったなと感じています。これは、タクシー運転手の数が減っているからだろうなとも。
この記事では、障がいのある方にも使いやすいタクシーアプリの紹介や、タクシーを上手に使うコツをご案内します。移動時の不安が少しでも減れば幸いです。

🚕💦タクシーがつかまりにくい!
全国的にタクシー運転手さんが不足している👨✈️
前述の通り、コロナ渦に多くのタクシー会社が経営難に陥り、多くのタクシー運転手さんが転職を余儀なくされました。
現在、社会全体は通常の生活を取り戻しつつありますが、タクシー業界では依然として運転手不足が続き、朝早い時間や夕方以降など、タクシーの利用が多い時間帯には「つかまらない」「配車ができない」といったことが増えています。
日常でタクシーを使うことが多い障がい者の方にとっても、乗るべき電車の時間が決まっているのに、駅に行くためのタクシーがないなど、せっかくの外出の機会も、不安にさいなまれることが増えています。

Come back!運転手さん!でもお給料が、、
運転手さんが足りないなら、タクシーの料金を上げて、お給料を増やせばいいのにと思いませんか?
しかし、タクシーの料金は国や地域の運輸局に認められた範囲内でしか決められないため、会社が自由に変更することはできないのです。
初乗り料金や距離・時間に応じた加算、渋滞中の料金、さらには深夜や予約の料金なども、地域ごとのルールや上限が決められています。
つまり、「料金が簡単に上がらないので、給料を上げたくても簡単には上げられない」事情があるのです。
燃料費も高騰
多くのタクシーは LPガス(液化石油ガス)を使って走りますが、最近はLPガスの価格も上がり、タクシー会社の負担が増えています。でも上記の通り、料金は簡単に上げられないため、コスト増も回収しにくいのが現状です。
📱地域別おすすめタクシーアプリ
都市部では、道で手を挙げればタクシーを止められることが多いですが、地方ではそうはいきません。
地方は車社会で、タクシーの数自体が少なく、走っているのはほとんどが予約済みか乗車中の車です。そのため、「その場でつかまえる」というより、「あらかじめ呼ぶ」のが基本です。
しかし最近では、タクシー運転手の数が減っていることもあり、都市部でもタクシーを呼ぶケースが増え、それにあわせて、タクシーアプリの利用も広がっています。
以下におすすめのタクシーアプリをご紹介します。

全国で利用されているアプリ「GO」と「DiDi」
GO(『JapanTaxi』と『MOV』の統合により誕生)
- 対応エリア:全国主要都市(浜松市では中心部でも利用不可の場所あり。)
- 特徴:アプリ予約可、よく利用するタクシー会社をお気に入りに登録可能。一部で、車いす対応車両が呼べる場合も。
- 注意点:特定の地域や時間帯において、ライドシェア車両(タクシー会社所属の一般ドライバーが運転する一般車両)が使用されることがある(タクシーのみを指定することも可能)。
- 公式サイト:GO株式会社 🔗タクシーアプリ『GO』
- ポイント:『車いす対応車両』指定での配車も可能。くわしくは🔗こちら。
DiDi(ディディ)
- 対応エリア:東京、大阪、福岡など
- 特徴:AIによる効率配車、予約料金が無料であることが多い。クーポン配布も多い。
- 注意点: GOよりも対応エリアが狭い。注文時、車を付けてほしい位置を詳細に指定できない。
- 公式サイト:DiDiモビリティジャパン株式会社 🔗「DiDi」
- ポイント:静岡県浜松市では、GOよりもDiDiの方が対応エリアが広い。遠鉄タクシーはDiDiに加盟していません(EタクPlusで対応)。
【浜松市と言えばコレ!】遠鉄タクシーの「EタクPlus」
- 対応エリア:静岡県浜松市、磐田市、湖西市 ※一部対象外エリアあり
- 特徴:静岡県下最大車両数を誇るタクシー会社。支払方法もかなり充実。アプリ決済がないことで逆に障がい者割引やタクシー券が使いやすい。
- 注意点:人気があるため、夕方や早朝は配車できないことも。
- 公式サイト:遠鉄タクシー株式会社 🔗「EタクPlus」
- ポイント: 地域密着型で介護タクシーや陣痛時のマタニティタクシーなど、細やかな配慮と充実したサービスの老舗タクシー会社。アプリからの注文時も、車を付けてほしい位置を詳細に指定することが可能。
- 介護タクシーについて:車いすやストレッチャーでもそのまま乗車できる「すずらん号」があります。詳細を伺う必要があるため、予約は電話で受け付けています。
【介護タクシー】が予約できるアプリ
これまでに紹介したアプリでは、介護タクシーの予約は難しい場合があります。以下のアプリでは、介護タクシーの予約もアプリから可能です。

「ベルタク」
- 対応エリア:全国
- 特徴: 移動したい高齢者や障がいのある方と介護タクシーをマッチングさせるアプリ。ドライバーは介護の出来る第二種ドライバーのため安心。
- ポイントと注意点:介護タクシーとのマッチングを行う仕組みのため、全国で利用可能ですが、サービスはまだ発展途上にあり、マッチングが成立しにくい可能性も。その点を理解したうえでの利用を推奨。
- 公式サイト:株式会社Keeper 🔗「ベルタク」
「i-CareGO」
- 対応エリア:神奈川県、東京都、埼玉県、千葉県など
- 特徴: ストレッチャーでも、点滴や酸素吸入などの医療器材があっても乗車可能。ベッドからベッドへも可能。病院からの退院時・通院時などに便利。
- 公式サイト:株式会社アイネット 🔗「i-CareGO」
≪あわせて読みたい!≫タクシーについて、こちらでも詳しくお話ししています。
メジャーサポートサービスブログ:🔗車は必要?それともタクシー・バス・電車で十分?障がい者の移動手段とコストを考える
💡タクシーアプリのメリット・デメリット
タクシーアプリのメリット
タクシーアプリはタクシー会社に電話をかける必要もなく、GPSで現在地を把握し、周辺のタクシーを検索して自動的に配車してくれます。アプリによっては、時間と場所を指定し、予約することもできます。
障がいのある方にとって、「事前に移動手段を確保できる安心感」が非常に重要です。
タクシーアプリのデメリット
迎車料金と予約料金
道端でタクシーを捕まえる場合と違い、アプリでタクシーを呼ぶ時、ほとんどの場合「迎車料金」が別途かかります。
また、時間を指定した場合はさらに「予約料金」が上乗せに。さらに時間によっては、深夜や早朝の割増料金などが重なることもあるため、タクシーアプリを使用する場合はそれを頭に入れておきましょう。

対応地域が限られる&好きなタクシー会社が来ないことも
タクシーアプリはまだ発展途上の状況で、現時点では対応地域がかなり限られています。
それは、大手のタクシー会社はすでに独自のタクシーアプリを作っていたり、逆に小さなタクシー会社や個人タクシーはタクシーアプリに加盟していないなど、アプリから配車可能なタクシー会社が限られるなどによってタクシーの台数が確保できないなどの理由から、確実に使える地域は限られています。
そのため、事前にアプリの対応エリアを確認することが重要です。
介護タクシーは電話予約が安心
介護タクシーやリフト付きタクシーは、利用者の体調や状況がさまざまなので、介護タクシーを扱うアプリ以外は、サービスがアプリでの予約に対応していないことがほとんどです。
安心して利用するためにも、直接タクシー会社に電話で予約することをおすすめします。少し手間ですが、きめ細かい対応が受けられます
👩🦽障がい者割引とタクシー券を使おう!
障がい者割引は「車内決済」が安心
一部のタクシーアプリでは、アプリ内の設定から障がい者手帳を登録すると、乗車時に自動で割引が適用される場合があります。
しかし、そもそも障がい者手帳の設定ができない場合や、アプリや乗車したタクシー会社によっては、アプリ決済では割引不可で、車内決済に限るなど対応は様々。
アプリで配車して初めて、迎えに来るタクシー会社がわかる場合がほとんどなので、障がい者割引を使用する場合は、アプリ決済ではなく、車内決済の方が安心です。車内決済の場合は、乗車時、または降車する前までに「障がい者割引を使います。」と運転手さんに伝えておきましょう。また、その際、障がい者手帳は必ず携行しましょう。
≪アプリ決済と車内決済のちがい≫
アプリ決済:あらかじめ、タクシーアプリにクレジットカードやPayPayなどの電子マネーを登録しておくことで、降車時に自動で支払われるので、支払の手間をなくす決済方法。
車内決済:現金だけのように思われますが、通常の支払い方法と同じです。乗車したタクシー会社にもよりますが、おおむね現金のほかにクレジットカードや電子マネーで支払います。
タクシー券を使う時は必ず「車内決済」に!
自治体と障がいの種類によっては、タクシー券が支給されている場合があります。
タクシー券の支給がある人が、自分の住んでいる市町村内でタクシーに乗る場合は、タクシー券が使用できます。

タクシーアプリ使用時にタクシー会社が選べるようなら、タクシー券が使える会社を選ぶと安心です。タクシー券を利用する場合は、乗車前にアプリで必ず車内決済にしておきましょう!
車内決済の場合は、乗車時、または降車する前までに「タクシー券を使います。」と運転手さんに伝えておきましょう。なお、障がい者割引とタクシー券は併用可能!タクシー券がある場合は両方使いましょう!(その際、障がい者手帳は必ず携行しましょう。)
≪浜松市でタクシー券が使用できるタクシー会社はこちら≫
🔗タクシー利用券及び外出応援タクシー利用券の利用可能な事業者について
📱使いやすさで選ぶ!タクシーアプリ比較表
障がいのある方がタクシーを利用する場合、障がい者割引とタクシー券が使えるのかが重要ですが、その場合はおおむね「車内決済」が基本となります。
障がい者割引とタクシー券を使いたいけど、予約乗車の場合は「車内決済」ができないアプリもありますので、以下の表をよく確認して利用しましょう。
※EタクPlusは、すべて「車内決済」で、アプリ決済のシステムがありません。
🤷タクシー難民を防ぐためには
地方での遅い時間の移動は予約しておこう!
都市部では24時間対応のタクシー会社も多いですが、地方の小さな町では夜は営業が終了し、タクシーを呼ぶこともできないことがあります。
特に障がいのある方が夜間に移動する場合、タクシーは事前に予約しておきましょう。

タクシーはアプリを上手に使い分けてスムーズに
タクシーをスムーズに呼ぶには、複数のアプリを使い分けるのがおすすめです。
一つのアプリで配車できない時でも、別のアプリも使うと、乗れる確率がぐっと上がります。
どちらもダメな時は、現地のタクシー会社に直接電話するのが安心です。
例えば浜松市では、「Goアプリ」が範囲外のことが多いので、「EタクPlus」と「DiDi」を組み合わせて利用するとよいでしょう。
また、時間が決まっている時は、別途予約料金がかかりますが、事前に予約しておくと安心です。
【まとめ】タクシーが支える、私の毎日の外出
障がいのある私にとって、タクシーは大切な移動手段です。雨の日や荷物が増えたときなど、タクシーは自分のもう一つの足のように利用しています。
以前は「Japan Taxi」アプリが便利でよく使っていましたが、「Go」に変わってから生活範囲が対応エリア外となってしまい、とても困りました。それだけタクシーアプリは生活に欠かせない存在です。
私は体が不自由でも、できるだけ外に出て、いろんなものを観たり、空気を感じたいと思っています。
今年も紅葉の季節がやってきます。少し高くても、タクシー券や割引を利用して、気軽にお出かけしてみませんか?

<関連リンク> 車を持った場合のコストも考えてみるのもよいかも?
<参考リンク>
・GO株式会社 🔗タクシーアプリ『GO』。
・DiDiモビリティジャパン株式会社 🔗「DiDi」
・遠鉄タクシー株式会社 🔗「EタクPlus」
・株式会社Keeper 🔗「ベルタク」
・株式会社アイネット 🔗「i-CareGO」
・S.RIDE株式会社 🔗「S.RIDE」


