日本学生支援機構では、精神または身体の障害により返還が困難になった方へ、返済免除制度を用意しています。
返済免除の種類
返済免除には、以下の2種類があります。
全部免除: 返済残額のすべてを免除されます。
一部免除: 返済残額の一部を免除されます。
免除される割合は、障害の程度によって以下の通りです。
第1級: 返済残額の全部を免除されます。(全部免除)
第2級: 返済残額の4分の3以内を免除されます。(一部免除)
第2級の場合、残額4分の1は引き続き返済する必要があります。
もし返済が困難な場合、返還期限猶予等の制度も併せて検討してください。
免除を受けるための条件
以下のすべての条件を満たす必要があります。
日本学生支援機構の奨学金を貸与されていた方
精神または身体の障害により、返還することが困難な状態にある方
機構が定める第1級、または第2級いずれかの基準を満たす必要があります。
第1級
1 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるもの
2 両眼の視力が0.02以下に減じたもの
3 片目の視力を失い,他方の目の視力が0.06以下に減じたもの
4 そしゃくの機能を失ったもの
5 言語の機能を失ったもの
6 手の指を全部失ったもの
7 常に床について複雑な看護を必要とするもの
8 前各号に掲げるもののほか,精神又は身体の障害により労働能力を喪失したもの
第2級
1 両眼の視力が0.1以下に減じたもの
2 鼓膜の大部分の欠損その他の理由により両耳の聴力が耳かくに接しなければ大声を解することができない程度以上のもの
3 そしゃく及び言語又はそしゃく若しくは言語の機能に著しく障害を残すもの
4 せき柱の機能に著しい障害を残すもの
5 片手を腕関節以上で失ったもの
6 片足を足関節以上で失ったもの
7 片手の三大関節中の二関節又は三関節の機能を失ったもの
8 片足の三大関節中の二関節又は三関節の機能を失ったもの
9 片手の5つの指又は親指及び人差指を併せて4つの指を失ったもの
10 足の指を全部失ったもの
11 せき柱,胸かく,骨盤軟部組織の高度の障害,変形等の理由により労働能力が著しく阻害されたもの
12 半身不随により労働能力が著しく阻害されたもの
13 前各号に掲げるもののほか,精神又は身体の障害により労働能力に高度の制限を有するもの
備考
1 各号の障害は,症状が固定し,又は回復の見込みのないものに限る。
2 視力を測定する場合においては,屈折異常のものについてはきょう正視力により,視表は,万国式試視力表による。
出典:診断書(日本学生支援機構所定)
障害の程度の基準は障害者手帳、障害年金及び手当金とは異なります。
障害者手帳、障害年金及び手当金の有無を問わず、基準に当てはまれば返済免除を利用可能です。
申請方法
返済免除を申請するには、日本学生支援機構へ所定の書類を提出する必要があります。
必要な書類
全員必要な書類
- 貸与奨学金返還免除願(日本学生支援機構所定用紙)
- 奨学生本人の収入証明書(コピー不可)
例:所得証明書、収入金額又は所得金額が明記された(非)課税証明書のいずれか
- 診断書(日本学生支援機構所定用紙)
※医師、歯科医師の記入が必要です。
収入証明書において、給与所得者は年間収入金額が300万円を超える(給与所得者以外の方は年間所得金額が200万円を超える)方のみ提出の書類
- 奨学金を返還できない状況にあることを確認できる書類(日本学生支援機構所定用紙)
※「貸与奨学金返還免除願」、「奨学金を返還できない状況にあることを確認できる書類」は次に挙げる報告者の記入及び署名が報告者欄に必要です。
民生委員、公民館長、学校長、福祉事務所長、病院長(診断書の証明をした方は除きます。)又は精神保健福祉士、介護福祉士、社会福祉士、看護師などの医療若しくは福祉に関する国家資格を有する方。
提出時期
返済免除を申請できる時期は、特に定められていません。
ただし、貸与中及び在学中の場合は返済免除の願い出はできません。
審査
日本学生支援機構が、提出された書類に基づいて審査を行います。審査には1~2ヶ月とされていますが、数ヶ月かかる場合があります。
その他
返済免除制度について、詳しくは日本学生支援機構のホームページをご覧ください。
以下に、日本学生支援機構の相談窓口の情報をお載せします。
相談窓口
日本学生支援機構 コールセンター
電話: 0120-88-9191
受付時間: 9:30~17:30 (平日)
日本学生支援機構 各支所
https://www.jasso.go.jp/index.html
参考情報
日本学生支援機構 死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/ippan_menjyo.html