こころの病気のある人で、眠気や睡眠に関する困りごとを抱えている人は多いのではないでしょうか?
こころの病気と睡眠障害は併存しやすい
一般的にこころの病気がある人は睡眠障害を併存している割合が高いとされています。こころの病気の特性と睡眠障害の両方があることで、生活や仕事などでの困りごとが増えたり深まったりするかもしれません。
睡眠障害の種類とこころの病気がある人での眠気の特徴
睡眠障害とは睡眠に関連する様々な病気の総称で不眠症や過眠症、睡眠リズム障害などが含まれます。
不眠症:
寝つきが悪い、眠りが浅い、睡眠を保てない(睡眠中に目が覚める)朝早く目が覚める、などといった不眠の状態が続き、日中に眠気や疲れといった不調が表れる病気です。
過眠症(中枢性過眠症):
睡眠を妨げる病気がなく、夜間に眠っているにもかかわらず日中に強い眠気を感じる病気で、ナルコレプシー、突発性過眠症などに細分されます。
睡眠リズム障害:
体内時計を調節できず睡眠と覚醒のリズムが乱れてしまい、寝つきが悪くなったり日中に眠気を感じる病気です。
その他:
睡眠関連呼吸障害、睡眠時随伴症、睡眠関連運動障害など
発達障害の人では幼少期から日中に強い眠気を感じる人が多いとされています。また、小児期には特に問題に至らなかったものの思春期以降に支障が出始めたという人もいるでしょう。
発達障害と睡眠障害の両方があると、興味・関心のあることにこだわる・集中するという特性から夜遅くまで続けてしまい寝つきがより悪くなったり、あるいは興味・関心のない授業や仕事に退屈してしまうことでより眠気を感じやすくなったりします。
発達障害と睡眠障害を併存する原因
発達障害と睡眠障害の併存率が高い原因については原因は明らかではありませんが、発達障害の特性には睡眠を含む生活全般のリズムが乱れやすいという側面があります。
またADHDやASD、睡眠障害は神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンという覚醒状態を維持するためにも必要な物質と関連があると考えられます。ADHDやASDではこれらの物質の分泌量が調整不十分または機能不全により低下しているとされています。
このように発達特性に伴う生活リズムの乱れと睡眠と覚醒を調性する能の中枢神経における機能不全が相まって、発達障害と睡眠障害が併存しやすいのではないかとも考えられています。
睡眠障害への対処法
睡眠障害の種類や程度、困りごとは人それぞれです。そのため対処法においても普段の生活を見直したり便利なアイテムを用いたり自分に合った対処法を探して実践することが重要です。
毎日何時に入眠・起床しているか、夜間に目が覚めるか、日中に眠気があるかどうかなどを把握することは生活習慣改善・睡眠時間調整のきっかけになります。ご自身でノートなどに記録するほか、睡眠の記録をとることが出来るアイテムを用いることもいいと思います。
それでも治らなかったら精神科に受診してみるといいかもしれません。最近では睡眠障害を診てくださる睡眠外来の病院も増えてきました。眠りと向き合うのはつらいですよね。お一人で悩まずに、専門家に受診してみるのも一つの方法だと思います。
あなたが安眠出来ますように。