【選挙投票】障がいで投票所に行けない方へ「郵便等による不在者投票」と「代理記載制度」

【選挙投票】障がいで投票所に行けない方へ「郵便等による不在者投票」と「代理記載制度」 制度について

今回は、選挙で投票所に行けない方が利用できる「郵便等による不在者投票制度」と、記入が難しい場合に助けになる「代理記載制度」について、分かりやすく、制度の内容も含めてお伝えします。

郵便等による不在者投票制度とは?

身体の障がいや病気、介護状態などの理由で投票所に行くことが難しい人が、自宅などから郵便で投票できる制度です。外出が難しくても、大切な一票をしっかり届けられる仕組みになっています。

(写真 Canva)

しかし、この制度には 利用できる条件が法律で明確に定められています。

利用できる人

以下のいずれかに該当する選挙人が利用できます。

身体障害者手帳を持っていて、次のいずれかに該当する人

  • 両下肢・体幹・移動機能の障害が 1級または2級
  • 心臓・じん臓・呼吸器・ぼうこう・直腸・小腸の障害が 1級または3級
  • 免疫・肝臓の障害が 1〜3級

戦傷病者手帳を持っていて、次のいずれかに該当する人

  • 両下肢・体幹の障害が 特別項症〜第2項症
  • 心臓・じん臓・呼吸器・ぼうこう・直腸・小腸・肝臓の障害が 特別項症〜第3項症

介護保険の被保険者証で 要介護5 と認定されている人

✳ こちらは、手帳の記載を見ただけでは該当するか判断が難しいことがありますので、わからない、不安な場合は、自治体の選挙管理委員会へ確認をお願いします。

⚠ 精神障害だけでは対象外?

はい、精神障害のみの場合は制度の対象外になっています。
ただし、精神疾患に加えて身体障害や要介護区分がある場合は対象になることがありますので、相談する価値はあります。

郵便等による不在者投票の手続き

制度を利用するには 「郵便等投票証明書」という証明書の交付が必要です。

郵便等投票証明書の交付申請

選挙管理委員会へ次の書類を郵送または持参します。

  • 選挙人本人が署名した申請書
  • 身体障害者手帳、戦傷病者手帳、または介護保険被保険者証

証明書は郵便で送られてきます。この証明書は 投票の際に必ず必要になります。

投票用紙の請求

選挙人本人が、次の書類を選挙管理委員会に送ります。

  • 本人が署名した請求書
  • 郵便等投票証明書

すると、投票用紙と投票用封筒が郵送されてきます。

自宅などで投票し、返送する

  • 届いた投票用紙に候補者名を記入
  • 投票用封筒に入れ、封筒の表に署名
  • 選挙管理委員会へ郵送

✳ 投票用紙の請求には 締切(多くの自治体で投票日の4日前まで)があります。必ず事前に確認しましょう。

代理記載制度とは?

郵便等による不在者投票を利用できる方でも、
手が動かない、視覚障害があるなどの理由で自分で文字を書くのが難しい場合があります。
そんな時に使えるのが 代理記載制度 です。

(写真 Canva)

代理記載制度とは、あらかじめ届け出ておいた「代理記載人」が、本人の意思に基づいて投票用紙へ記入できる制度です。

代理記載制度を利用できる人

「郵便等による不在者投票制度を利用できる人」の中で、さらに以下のいずれかに該当する場合に使えます。

身体障害者手帳に次の障害がある人

  • 上肢の障害 1級
  • 視覚の障害 1級

戦傷病者手帳に次の障害がある人

  • 上肢・視覚の障害が 特別項症〜第2項症

※ 上肢・視覚の障害が該当していても、 郵便等の不在者投票制度の対象者でない場合は利用できません。

代理記載制度の手続

代理記載を利用するには、事前に次の2つの手続きを行う必要があります。
(郵便等投票証明書の申請と同時に行うこともできます)

「代理記載の方法による投票ができる」旨の記載を証明書に受ける

  • 申請書
  • 郵便等投票証明書
  • 身体障害者手帳または戦傷病者手帳
    (申請書への本人署名は不要)

代理記載人の届出

代理記載をする人を選び、選挙管理委員会に届け出ます。

必要書類

  • 届出書
  • 郵便等投票証明書
  • 代理記載人の同意書・宣誓書

投票時の流れ

  • 代理記載人が署名した請求書で投票用紙を請求
  • 投票用紙が届いたら、自宅などで
    • 本人が候補者を指示
    • 代理記載人が記入
    • 代理記載人が封筒の表へ署名し郵送

⚠ 罰則について

代理記載人が本人の意思と違う候補者名を書くなどの不正があった場合は、

  • 2年以下の禁錮
  • 30万円以下の罰金

などの罰則があります。そのため、代理記載人は「信頼できる人」を慎重に選ぶことが大切です。

さいごに

選挙は、社会のしくみや未来を形づくるために、一人ひとりの意思を反映させる大切な機会です。しかし、身体の状態や生活環境によって投票所へ行くことが難しい人も少なくありません。こうした状況に対応するために整備されているのが、「郵便等による不在者投票制度」「代理記載制度」です。

これらの制度を知っておくことで、外出が難しい場合でも投票権を確実に行使する選択肢が広がります。利用条件や手続きには一定のルールがありますが、不明な点は住んでいる市区町村の選挙管理委員会に確認することで、適切に手続きを進めることができます。

大切なのは 自分の意思で投票すること

無理なく、自分らしい形で選挙に参加していきましょう。

※本記事の内容は、公開時点の法令に基づき、一般的な解説としてまとめたものです。
郵便等による不在者投票制度や代理記載制度の具体的な適用条件・必要書類・手続き期限は、市区町村により異なる場合があります。そのため、制度の利用可否や手続きの詳細については、お住まいの市区町村の選挙管理委員会に必ずご確認ください。

参考サイト
総務省|郵便等による不在者投票制度について

補足:生活をサポートする関連制度・記事

今回ご紹介した「郵便等による不在者投票制度」「代理記載制度」は、障がいのある方が社会参加できる環境を整える制度の一つです。ほかにも、日常生活や就労、医療・福祉に役立つ制度や情報があります。ぜひあわせてチェックしてみてください。