福祉就労(A・B型事業所の利用)にはやはりお金の問題がついて回ります。私もA型事業所のお給料だけでは月8万円程度なのですが、正直、「これでどうやって生活しろと言うんだ…」って感じですよね。
じゃあどうするのかというと、あなたも障害年金が受け取れる場合があります。
ということで、この記事では障害年金について、実際に障害年金を受給している私の視点からお話していきます。
「そもそも障害年金ってなに?」、「いくら貰えるの?」、「私でも申請できるの?」といった疑問が一気に解決できる記事になっているので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
障害年金とは
障害年金とは病気やけが、障がいによって仕事や日常生活が制限されてしまっている場合に受け取れる年金です。
一口に「障害年金」と言っても、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、またそれぞれの等級によっても受け取れる額が異なります。
障害基礎年金
国民年金に加入していて、加入期間の3分の2の以上の期間の保険料が納められているか免除されていた場合(救済措置として初診日に65歳未満で直近1年間に保険料の未納がなければOK)に受け取ることができます。
また、20歳前でまだ年金制度に加入していない場合は、年金を払っていなくても申請できます。
障害年金は2ヶ月に1回、等級や加算条件に基づいた額が支給されます。
基礎年金の等級は1級と2級があり、支給額は1級が年間約102万円、2級が年間約81万円です。
さらに、子供がいる場合、2人までは1人につき約23万円、3人目以降は1人につき約8万円が加算がされます。
日本年金機構ホームページ:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
障害厚生年金
厚生年金に加入している間に生じた障がいや病気であれば、障害厚生年金を受給できます。
こちらの等級は1級から3級まであり、基礎年金に比べて病気や障がいの程度が軽い人でもお金を受け取ることができます。
支給額は厚生年金に加入している間の月収に基づいて決められるので、人によって異なります。
しかし、年間約61万円の最低保証額が設けられている他、同じ月収でも1級の支給額は2級よりも25%多いです。また、2級以上で配偶者がいる場合には約23万円が追加で支給されます。
ちなみに、厚生年金と基礎年金は重複して受給することができます。受け取れる場合は併せて申請するといいでしょう。
日本年金機構ホームページ:障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額
受給までの流れ
障害年金の概要はなんとなく掴めたでしょうか?
次はいよいよ受給までの流れを説明をしていきます。
主治医に相談する
まずは主治医の先生に「障害年金を受給したい」という旨を伝えてみましょう。
この時、先生が障害年金の受給に協力的だと書類の書き方を年金受給に有利なようにしてくれたり、逆に受給を反対されて診断書すら出してもらえなかったりと、医師によって対応がまちまちなようです。
私の主治医は年金の受給に協力的に対応してくださったのでとても助かりました。
とは言え、本当に困っているのであれば反対はされないと思います。
まずは気軽に相談してみましょう。
自治体の窓口に相談する
あなたが住んでいる市区町村の窓口に相談しに行きましょう。
必要書類のいくつかはこの時に貰うことができます。
必要書類の準備
申請に必要な書類を揃えましょう。主な必要書類は以下の通りです。
- 年金請求書(基礎年金と厚生年金で様式が異なるので注意)
- 年金手帳または基礎年金番号通知書等
- 診断書
- 受診状況等証明書(医師記入)
- 病歴・就労状況等申立書(本人記入)
- 障害年金を受け取る金融機関の通帳等
こうしてみると書類がたくさんあって大変かと思いますが、一つずつ準備していけば大丈夫です。
書類を自治体の窓口に提出する
書類の準備、お疲れ様でした。揃えた書類を提出しに行きましょう!
審査結果を確認する
書類の提出から3ヵ月前後で自宅に審査結果が届くので忘れずに確認しましょう。
もしかしたらこの3ヵ月が一番不安でつらいかもしれませんが、思いつめたりせずに気楽に待っていれば大丈夫です。
注意点
「受給までの流れもわかったし、早速申請に行こう!」「なんだ、私は貰えなさそうだな。」…となるその前に、いくつか注意点があるので、もう少しだけお付き合いください。
障害認定日がいつか確認!
障害年金の申請をする上で、障害認定日という概念がとても大事になってきます。
障害認定日とは、初診日(その病気や障がいのために初めて医療機関にかかった日)から1年6ヶ月が経った日のことです。
そのため、「初診日からまだ3ヵ月しか経っていない」、「初診日がわからない」という場合にはそもそも申請ができないので注意しましょう。
また、障害認定日から長い時間が経っている場合には、本来受け取れたはずのお金が受け取れなくなることがあります。
このことについては次の項目で詳しくお話しますね。
請求の方法は2種類ある
障害年金の請求方法には、「障害認定日請求」と「事後重症請求」の2種類があります。
障害認定日請求
障害認定日の時点での病気や障がいの程度が受給要件を満たしている(等級が付く)場合の請求方法です。障害認定日から時間が経っている場合でも5年までならさかのぼって請求(遡及請求)することができます。
遡及請求した分のお金は初回の支給日にまとめて受け取れます。
事後重症請求
「障害認定日の時点では病気や障がいの程度が軽かったけど、後から症状が悪化したから障害年金を受け取りたい」という場合の請求方法です。
こちらは症状が悪化した時点からではなく申請した月からの支給で遡及請求もできないので、申請は早めにしましょう。
障害手帳は必要ない
ここまで何度も等級の話が出てきましたが、障害年金の等級と障害手帳の等級は全く別物です。
もちろん、障害手帳を持っている場合には参考書類として提出することが可能ですが、障害手帳がないと障害年金の審査が通らないということはありません。
それでも障害者手帳を取得しておきたい方は、別記事にて障害者手帳について詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。
おすすめ記事:障害者手帳の取得までと活用方法を解説!
A型事業所と障害年金の併用は可能?
結論から言うと、A型事業所に通いながら障害年金を受給することは可能です。
ただし、20歳前の傷病によって障害年金を受給する場合には、前年度の本人の収入によっては減額または支給停止の措置が取られる場合があります。
前年の所得額が4,721,000円を超える場合は年金の全額が支給停止となり、3,704,000円を超える場合は2分の1の年金額が支給停止となります。
なお、扶養親族がいる場合、扶養親族1人につき所得制限額が38万円(※)加算されます。
(※)対象となる扶養親族が老人控除対象配偶者または老人扶養親族であるときは、1人につき48万円が加算され、特定扶養親族または控除対象扶養親族(19歳未満の者に限る)であるときは1人につき63万円が加算されます。
支給停止となる期間は、10月から翌年9月までとなります。
とはいえ、平均最低賃金(1,055円)で1日4時間・月22日勤務のA型事業所で働いた場合の月給が92,400円(年収は1,108,800円)ですから、減額や支給停止の条件に引っかかることはまずないでしょう。
まとめ
- 障害者年金とは、病気や障がいなどで生活や仕事に制限を受けている場合に受け取れる年金のこと。
- 障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があり、等級や条件によってそれぞれ受け取れる額が異なる。
- 障害年金の申請をする際は、①主治医に相談、②自治体の窓口に相談、③必要書類の準備、④書類の提出、⑤審査結果の確認という手順を踏めばよい。
- 障害年金の申請をする際は、自分の障害認定日がいつなのかを確認する必要がある。
- 障害年金の請求の方法には、障害認定日請求と事後重症請求の2種類があり、障害認定日請求を利用する場合には5年までなら遡って請求することができる。
- A型事業所と障害年金の併用は可能!
いかがだったでしょうか。
「普通」の暮らしができないというのは、つらく苦しいことだと思います。
この記事が少しでもあなたの役に立ったのなら幸いです。
では、次回の記事でまたお会いしましょう!