この記事では、ピアカウンセラー(ピアサポーター)になるために必要なことを私(障がい者)自身の視点からの意見も交えて解説していきます。
「ピアカウンセラーとして働きたいけどどうすればいいのかわからない」という人はぜひ最後までご覧ください!
「そもそもピアカウンセリング(ピアサポート)ってなに?」という人は別記事で詳しく解説していますので、そちらも併せてご覧ください!
おすすめ記事:当事者同士だからこそできる「ピアカウンセリング」とは?
ピアカウンセラーとは
ピアカウンセラーとは、自分と同じように病気や障がいを持つ人を対象にしたカウンセリングを行うカウンセラーのことです。ピアカウンセラーの「ピア」には「仲間」という意味があります。
ピアカウンセラーの同じ病気や障害を抱えている「仲間」としての側面は、とてつもなく大きな強みだと言えます。
あなたはカウンセラーや主治医になにか相談をした時に、「正しいんだけど、そうじゃないんだよなぁ。」と感じるアドバイスを貰ったことはありませんか?
「全然気持ちを理解してもらえない」と思ったことはありませんか?私にも同じ経験があるのですが、これが続くともう相談をすることすら億劫になってしまいますよね。
「じゃあ、たとえ間違っていても耳障りのいい言葉だけを掛けていればいいのか?」というと、それもきっと違いますよね。
私は、大事なことは「伝え方」と「話の聞き方」なんだと思います。
「正しいけど、違う」と感じたことでも、伝え方一つで案外すんなりと心に入ってくるものですし、話の聞き方が変われば相談者が感じる安心感も全然違ってきます。
病気であれ障がいであれ、お互いに同じものを抱えているからこそ、相談者の「もっとこうして欲しい」をピアカウンセラーは直感的に理解し、寄り添うことができるのだと思います。従来のカウンセラーは統計や理論からこの判断をするしかないですから、こうはいかないはずです。
とは言え、専門性や客観性など、従来のカウンセリングの利点もあるので、相談者は自分が誰にカウンセリングを受けるべきなのかを一度しっかりと考える必要があります。
必要な資格やスキル
結論から言うとピアカウンセラーとして活動するのに必要な資格は特にありません。
強いて言うなら、「何かしらの障がいや病気を抱えていること」と「同じ境遇にある仲間たちの力になりたいという想い」が必要な資質なのではないでしょうか。
しかし、必要な資格がなにもないとは言っても、いきなり活動を始めるのは不安ですよね。
実際、知識も実戦経験もゼロの状態での活動はとても難しいと思います。
ピアカウンセラーとしての活躍の幅を広げるためには、市町村やNPO団体などが主催している養成・認定講座や研修を受けるのがいいでしょう。
研修では、ピアサポートの歴史や仕組み、ピアカウンセラーとして活動していくのに必要な基礎知識やセルフマネジメントなどについて学ぶことができます。
ピアカウンセラーの活動場所
ピアカウンセラー(ピアサポーター)の主な活動場所は以下の4つです。
- 行政機関
役所や保健所などの行政機関でピアカウンセラーとして働きます。
- 医療機関
デイケアや病棟など、医療機関のピアカウンセラーとして働きます。
- 障がい福祉施設
就労支援事業所や相談支援事業所などの支援員として働きます。メジャーサポートサービスにもピアサポーターの研修を受けているスタッフがいます。
- 一般企業
特例子会社(障がい者の雇用促進のために設立された会社)であれば、一般企業でもピアカウンセラーの雇用があります。
しかし、「ピアカウンセリング」や「ピアサポート」という概念自体がまだ社会に浸透しきっておらず、ピアカウンセラー(ピアサポーター)の実際の雇用はかなり少ないのが現状です。
せっかく講座や研修を受けても、職場探しはかなり辛抱強く行う必要があるかもしれません。
まとめ
- ピアカウンセラーとは、自分と同じように病気や障がいを持つ人を対象にしたカウンセリングを行うカウンセラーのことである。
- ピアカウンセラーとして活動するために必要な資格などは特にないが、市町村やNPO団体などが主催している講座・研修を受けることでスキルアップができる。
- ピアカウンセラーの主な活動場所は行政機関・医療機関・障がい福祉施設・一般企業などである。
いかがだったでしょうか。
ピアカウンセラーになるための道筋がイメージできましたか?
本文中では雇用が少ないと書きましたが、障がい者の法定雇用率の引き上げが続いていますし、障がい者支援施設もどんどん増えていますから、時間の経過とともにピアカウンセラーの需要は上がっていくはずです。
私も今はまだ福祉サービスの一利用者に過ぎませんが、いつの日か私と同じ悩みを抱えた誰かに手を差し伸べられるような、そんな存在になりたいです。
もしこれを読んでいるあなたも私と同じ気持ちなら、お互いその気持ちを大切にしていきたいですね。
では、次回の記事でまたお会いしましょう!