【実体験】「障害支援区分」ってなに?はじめてでもよくわかる、福祉サービスの第一歩

【実体験】「障害支援区分」ってなに?はじめてでもよくわかる、福祉サービスの第一歩 制度について

「障害支援区分」とは、障がいのある人がこの区分を基準にさまざまな福祉サービスを受けるための大切な指標です。

私は身体に障がいがあり、障がい者手帳を所持していますが、この「障害支援区分」という言葉を知ったのは、ほんの5年前。それまで全く知りませんでした。

今回は、弊社メジャーサポートサービス浜松事業所がある、静岡県浜松市を参考に、障害支援区分の仕組みや、申請の手順について解説します。浜松市で福祉サービスの利用を考えている方の参考になればうれしいです。

🧑‍🦽‍➡️障害支援区分の内容とは?

「障害支援区分」の仕組みが始まったのは2006年。
2006年(平成18年)に障害者自立支援法が施行され、福祉サービスの必要度を判定するための「障害程度区分(1〜6)」という制度が導入され、2014年に「障害支援区分」に名称が変更されました。

厚生労働省:🔗障害者福祉:障害者自立支援法のあらまし

障害支援区分は、支援の必要度を示す「ものさし」

障害支援区分は、心身の状態や生活の様子に合わせて「1から6」までの数字で表されます。数字が大きいほど、日常生活でたくさんのサポートが必要であることを示しています。

区分があることで、行政や事業所は「この人にはこれくらいのサポートが必要」と具体的に計画を立てやすくなります。

障がいのある方が無理なく暮らしていくために、どれくらいの支援が必要かを考えるための「ものさし」のようなもの、と考えると分かりやすいかもしれません。

区分支援の必要度
区分1支援が比較的少ない
区分2やや支援が必要
区分3中程度の支援
区分4かなり支援が必要
区分5重い支援が必要
区分6最も重い支援が必要

区分によって、受けられるサービスの種類や量が変わる

区分は「重い・軽い」を決める序列ではなく、あくまで「どの程度の支援(時間や回数)が必要か」を判断するための基準です。

例えば、お家に来てもらうヘルパーさんの利用時間や、入所施設の利用などは、この「区分」によって決まることがあります。就労継続支援A型事業所などを利用する場合も、この区分があなたの状況を理解するための大切なデータになります。

障害支援区分で受けられるサービス

浜松市では主に、以下の3つのサービスの軸があります。弊社メジャーサポートサービスを含む、就労継続支援A型事業所は、「訓練・自立支援サービス」となります。

「介護系サービス」…生活をサポートするサービス
「訓練・自立支援サービス」…働く力や生活力を高めるためのサービス
「地域相談支援サービス」…地域で安心して暮らすためのサービス

カテゴリ主なサービス内容(簡単に)
介護系サービス居宅介護(ホームヘルプ)自宅で入浴・排せつ・食事などの介助
重度訪問介護重度障がい者の自宅で総合的な介助・外出支援
行動援護知的・精神障がい者の外出や危険回避の支援
同行援護視覚障がい者の外出支援
重度障害者等包括支援複数の介護サービスをまとめて提供
短期入所(ショートステイ)家族が介護できない間の施設利用
療養介護医療機関での介護・看護・生活支援
生活介護日中の介助と創作・生産活動の機会提供
施設入所支援施設での夜間・休日の介護
訓練・自立支援自立訓練(生活・機能)生活能力や身体機能向上のための訓練
就労選択支援働き方や就労先の選択支援
就労移行支援一般企業への就職に向けた訓練
就労継続支援(A型・B型)働く場の提供と訓練
就労定着支援就職後の生活や継続支援
自立生活援助居宅での生活環境整備・相談支援
共同生活援助(グループホーム)夜間・休日の生活支援
地域相談支援地域移行支援施設・病院から地域生活に移る支援
地域定着支援単身や不安定な生活への訪問・相談・調整

浜松市:🔗障害福祉サービス

👩‍🦼障害支援区分を申請できる方

障害支援サービスの対象者

障害支援サービスの対象の方は、主に以下に該当する人になり、障がい者手帳を持っている方が多いですが、手帳がなくても申請できる場合があり、基本的に障害福祉サービスを利用したい人が対象です。詳細は🔗浜松市役所の福祉課へ一度確認しましょう。
※サービスによっては、障がい者手帳がなくても利用できるサービスがあります。

  • 18歳以上(18歳未満は、児童福祉の制度で支援)
  • 身体障害者、知的障害者、精神障害者、難病等対象者など
  • 日常生活で支援が必要な程度があること

【注意】場合によってはサービスの利用時に費用がかかる

障害福祉サービスは基本的に公的支援で使えますが、利用する人の収入によって一部費用を負担しなければならないことがあります。負担の度合いは、市役所の福祉課や、担当の相談支援センターへ確認すると安心です。

浜松市:🔗障害福祉サービス

🧑‍🦯【実体験】「区分」が決まるまでのステップ(浜松市の場合)

私が実際にサービスを受けるまでに通った道筋をご紹介します。

私の場合、最初の「障がい者相談支援センター」に電話してから、認定までにおよそ3ヶ月。サービス開始までにさらに1ヶ月かかりました。なるべく早く相談することをお勧めします。

①地域担当の「障がい者相談支援センター」に電話

市役所の福祉課に相談する方法もありますが、私は足が不自由なので、担当の「障がい者相談支援センター」へ「福祉サービスを受けたいと考えていますが、どうすればよいですか?」という感じで電話相談しました。その際は、とても丁寧に対応して頂けました。

障がい者相談支援センターへの相談は、浜松市の場合は自分の住んでいる住所によって担当の「障がい者相談支援センター」が異なるので、以下の表を参考にして、自分の住んでいる地域を担当する相談支援センターへ、まずは相談してみましょう。

担当区事業所名所在地電話番号FAX運営法人(構成法人)
旧中区・旧北区(三方原地区※)浜松市中障がい者相談支援センター浜松市中央区和合町555(和合せいれいの里内)053-488-8077053-488-8078聖隷福祉事業団、小羊学園、遠州精神保健福祉をすすめる市民の会
旧東区浜松市東障がい者相談支援センター浜松市中央区流通元町20-3(東行政センター内)053-424-0371053-424-0379至空会、天竜厚生会
旧西区浜松市西障がい者相談支援センター浜松市中央区雄踏一丁目31-1(西行政センター内)053-597-1124053-596-5100ひかりの園、和光会、昴会
旧南区浜松市南障がい者相談支援センター浜松市中央区江之島町600-1(南行政センター内)053-401-6881053-425-1231好生会、復泉会、菊水光明会
旧浜北区浜松市浜北障がい者相談支援センター浜松市浜名区平口1604-1(浜北保健センター内)053-587-1010053-587-1015天竜厚生会、みどりの樹、至空会、浜松市社会福祉事業団
旧北区(三方原地区除く)浜松市北障がい者相談支援センター浜松市浜名区細江町気賀305(北行政センター内)053-523-2255053-523-2257小羊学園、聖隷福祉事業団
天竜区浜松市天竜障がい者相談支援センター浜松市天竜区二俣町二俣530-18(天竜保健福祉センター内)053-589-5580053-925-7011天竜厚生会、みどりの樹

※三方原地区とは、初生町/三方原町/東三方町/豊岡町/三幸町/大原町/根洗町を指します。

②相談支援センターの方と面談・計画案作成→浜松市へ申請

相談支援センターの方が実際に自宅を訪れ、私の現在の暮らしの状況、家族、病気や障がいの内容について、詳しく聞き取りをおこないました。

何に介助が必要であるかなども、実際に浴室やお手洗いなどを確認され、細かくメモをされていました。その内容から相談支援センターで計画案が作成され、それを持って、相談支援センターの方が浜松市へ福祉支援サービスの申請を行ってくださいました。

<💡最初の面談時のアドバイス>
これまで助けてくれた家族も一緒に面談に加わると、その人にとってどんな支援が重要かを伝えやすいため、かなり有効
・良い時ではなく「一番しんどい時」を基準に話します
正直、言うのがつらいなということも聞かれたりもしますが、その際は、そのあとの自分のためにも、ありのままを話す方が賢明です

③市役所での聞き取り調査

申請がおこなわれた後、市役所の認定調査員さんとお会いしての「聞き取り調査」が行われます。
「どんな生活をしているか?」「何に困っているか?」を、約80項目の質問に沿って確認します。

自分の障がいの原因となっている病気の治療に通っている病院や、主治医の先生の名前がわかるようにしておきましょう。また、こんなことに困っている、こんなことがつらいということを正直に伝えます。

<💡聞き取り調査時のアドバイス>
年収がわかる資料が必要となる場合がありますが、わからない場合でも、年収は市役所さん側で把握しているため大丈夫です。わからなくても焦らず、その旨を伝えましょう。
ここでもやはり、本当は言うのが恥ずかしいことも聞かれますが、調査員さんはプロですので、大丈夫です。正直にありのままを話しましょう。

④医師の意見書作成と「区分」の決定

聞き取り調査で伝えた、自分のかかりつけの病院と主治医の先生に、浜松市から自動的に連絡がいきます。

主治医の先生が、意見書を書いてくださり、浜松市に返送してくれます。その意見書と聞き取り調査の結果を踏まえて障害支援区分が決定します。
※この時、場合によっては、病院の受診が必要になることがあります。

⑤判定→障害支援区分の認定

一次判定は、認定調査の結果や、主治医の先生の意見書の一部項目をもとに、コンピューターで認定します。

二次判定では、一次判定の結果をもとにして、障害支援区分審査会において、すでに確認した暮らしの状況確認の結果や、主治医の意見書も参考にして判定し、障害支援区分を認定します。

⑥担当の相談員さん決定

判定が行われているのと並行して、障がい者相談支援センターから紹介された相談員さん(相談支援専門員さん)と面談します。今後サービスの利用の相談や、困りごとなどを相談する、自分の担当の相談員さんを決定します。

<💡相談員さんとの面談は、お見合いのようなもの>
面談で不安になった場合、相談員さんの変更が可能です。また、男性と女性のどちらが良いかなどの希望も聞いてくださいます。
自分が引っ越しをしたり、相談員さんが異動などをしない限り、相談員さんは、ずっと悩み事を打ち明けたり相談をしていく大切な存在となります。この時に遠慮すると、本来相談するはずが苦しくなることも。面談では遠慮なく質問してみましょう。

⑦支給決定案の作成→支給決定、受給者証の交付

認定された障害支援区分と、希望するサービスをもとに、どのサービスをどのくらい使えるかの案を相談員さんが作ってくださいます。
その内容をもとに、実際に支給が決定されると、「障害福祉サービス受給者証」が交付されます。

⑧契約・サービス利用開始

ヘルパーさんの事業所や、就労継続支援A型事業所などのサービス事業者と契約して、サービスを利用します。利用の際は、障害福祉サービス受給者証を事業者に提示します。

浜松市:🔗くらしの相談窓口・障がいに関する相談

😮障害支援区分は「有効期間がある!」

障害支援区分は、一度申請するとずっと使えるということはなく、原則として最長3年で有効期間が切れます。

なお、有効期間は利用する人の病状などによって変わります。有効期間が切れる2~3ヶ月前になると、浜松市より更新のお知らせが来るので、引き続きサービスを利用する場合は、先ほどの『「区分」が決まるまでのステップ』の③~⑧(⑥を除く)を再度おこなうことになります。

認定には時間がかかるため、市役所から更新のお知らせが来た場合は、早めに市役所へ連絡し、市役所での聞き取り調査の日程を決めるようにしましょう。

🧑‍💻就労継続支援A型事業所の利用と区分の関係

A型事業所は障害支援区分がなくても利用できる?

A型事業所は、障害支援区分がなくても、働くためのチェック(就労アセスメント※)などを受ければ利用できることがあります。

しかし、区分があることで、その人がどのくらい支援が必要かが分かり利用の目安になります。区分を持っていると、A型事業所を利用するときも、区分を参考にしながら計画を立てることができます。

<💡就労アセスメントとは?なぜ必要なの?>
A型事業所などの福祉サービスを利用して働く場合、「このサービスを使うことが、この人にとって一番良い方法だね」という市役所からのお墨付きが必要になります。
そのお墨付きをもらうための確認として、事業所に見学に行ったり、体験をしたり面談したりすることで、得意・不得意を、事業所のスタッフさんや相談員さんと一緒に確認することができるのです。

A型事業所は、区分による時間制限はないの?

認定された障害支援区分によって、ヘルパーさんに訪問してもらう「居宅介護」などは、「月に〇時間まで利用できる」という制限ができますが、A型事業所の利用時間は「事業所との雇用契約」で決まるため、区分による時間制限はありません。

そのため、区分がない、もしくは区分が低いために長く働けないということはなく、多くのA型事業所での就労時間は、「1日4時間〜5時間程度」に設定されている場合がほとんどです。

<💡障がい福祉サービスで、区分が必要なものと不要なものとは>
区分が不要(就労系など)
: 就労継続支援A型・B型、就労移行支援、グループホーム(介護なし)など
区分が必要(介護系)
: 居宅介護(ホームヘルプ)、生活介護、短期入所(ショートステイ)など

「働くこと」と「生活」をどちらも大切にするために

A型事業所は、お仕事のスキルを磨くだけの場所ではありません。生活や体調の悩みなど、「働き続けるための相談」もできる心強い場所です。

そこで大切になるのが「区分」の存在です。私自身もそうですが、「仕事も頑張りたいけれど、家での生活もサポートをお願いしたい」と感じた時、区分を持っていると、仕事以外の時間にもヘルパーさんの助けを借りるなど、複数のサービスを組み合わせて使いやすくなります。

障害支援区分があると、仕事と生活、両方のバランスを整えやすくなります。

🧑‍🦯【まとめ】一歩踏み出すことで、世界は変わる

浜松市へ引っ越してきた当初、私は福祉サービスの存在を知らず、家族や友人の助けを受けてなんとか暮らしていました。でも、家族や友人に時間を割いてもらうのが本当に心苦しく思っていました。

そこで知ったのが福祉サービスの制度。勇気を出して相談し、障害支援区分の認定を受けてからは、その「心苦しさ」が少しずつ解消されていきました。そして何より感じたのは、浜松市の福祉サービスを受けるようになってから、「社会から放っておかれることがなくなる」という安心感です。

障がいのある人は、どうしても家にこもって孤独になりがちですが、福祉サービスを受けるようになってから、毎週ヘルパーさんがやってくる。定期的に相談員さんも訪問して話を聞いてくださる。

そこから、現在の就労継続支援A型事業所で働くこともできるようになり、そのほかに受けられるいろんなサービスを知ることもできました。これは病気で縮こまった自分の世界を、大きく変化させてくれました。少しの自信も得ることができました。

もし今、一人で抱え込んでいる方がいたら、ぜひ勇気を出して相談支援センターへ電話してみてください。きっと、見える風景が変わります。


<関連記事> 生活支援員さんとは?相談支援専門員さん(通称:相談員さん)との違いを知ってみましょう!

<参考記事>

・厚生労働省:🔗障害者福祉:障害者自立支援法のあらまし
・浜松市:🔗障害福祉サービス
・浜松市:🔗くらしの相談窓口・障がいに関する相談
・LITALICOキャリア:🔗相談支援専門員とは?
・浜松市:🔗障害のある方へ